Fukuのブログ

子育て、医療、暮らしの疑問について少しだけ深堀りするブログ

【子育て】いざ開始!でも本当に赤ちゃん任せで大丈夫?【BLWやってみた】

 

※はじめに

この記事はBLWを勧めたり、医学的なアドバイスをするためのものではありません。あくまで我が家が実際に取り入れてみた感想や、調べた文献について書いたものです。BLWを取り入れる際には十分な情報収集と準備を行った上でご自身の判断で行うようお願いいたします。

 

どうも、Fukuです!

次男のジローも生後6ヶ月になり、おすわりも上手になってきました。

口をもぐもぐしたり、長男タローの食事に手を伸ばそうとするなど食事への興味・関心が高まっている様子が見受けられたため、我が家もBLWで離乳食を開始することになりました。

 

しかしここで疑問が。

BLWはあくまで「赤ちゃん主導型の離乳食」です。

でも本当に赤ちゃん任せにしてよいのだろうか?

BLWでは食べ物の触感や物との距離の理解、口の中でどう処理するかを赤ちゃん自身が学ぶことを重要視しているため、いわゆる「食べたか、食べてないか」はあまり重要視していません。遊んで、遊んで、ぐちゃぐちゃにしてもそれでオッケイ。食べなかったら母乳かミルクを与えて終了です。

 

そう、初回の記事でも書きましたがあくまで「補完食」という考えであり、主体は母乳やミルクなんですね。

 

そうはいっても赤ちゃん主導を続けていったら、1歳以降も食べる食品と食べない食品に偏りが出てしまうのでは??好きなものばかり食べる子になってしまったらどうしよう…

 

夫が知り合いの小児科医から借りてきてくれた『「自分で食べる!が食べる力を育てる 赤ちゃん主導の離乳(BLW)入門」』(注1)には、クララ・デイヴィス医師の実験で乳幼児がバランスの取れた食事を自ら選択できていることを明らかにしていると書かれていたのですが、

タローの偏食があまりにひどく苦労したためどうしてもバランスが気になってしまい、初回はフィンガーフード半分、スプーンであげられるもの半分を用意し、ゆるいBLWで開始することにしました。

本当は赤ちゃんの力を信じましょう!というのが正解なんでしょうけど…

疑ってごめんよ!ジロー!!笑(それもこれも兄ちゃんの偏食のせいだから!笑)

 

さて、こちらが初回のジローの様子です。

 

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初日のBLWの様子

うーん、なかなか激しいですね。米まみれです。笑

初回ですがお粥ではなく米飯で、一口大のおにぎりにして渡してみました。

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お米をつまもうとする動きが

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口元にちゃんと運んでいます


家族と同じ食卓で、本人が欲しがったタイミングであげたため、目の前に出された米飯はみんなが食べているもの、「これは食べ物である」という認識がちゃんとあり、口に運んでいる様子がわかるかと思います。

 

長男の時はお昼寝のタイミングなどを考慮し、3回食にアップするまではなかなか大人と同じタイミングで食事を取ることができませんでした。

そのため、最初はペーストで与えても「食べ物」と認識してくれず口を開けなかったり、口に入れても吐き出したりしていました。

しかし次男は口に運んだあとに吐き出すということもしていません。これは家族と全く同じものを与えることで「食べ物」と認識できているからだと思います。生後6ヶ月なのに観察力がすごい!

 

そして一番驚いたのが、初回なのにむせこむ様子が全くなかったこと。初回なのでほんの少量しか与えていませんが、最後までむせこむことはありませんでした。

 

 というわけで今回の記事では初回のBLWの様子について書きました。誤嚥や窒息が心配でしたが安全に行うことができ、ジローの手の動きや家族の食事を観察する様子などが見られて親としても発見の多いものとなりました!

 

次回の記事では、BLWを継続した結果どんな変化が見られるようになったかを書いていこうと思います。次回もぜひ読んでくださると嬉しいです! 

 

参考文献

(注1)ジル・ラプレイ,トレーシー・マーケット,坂下玲子監訳,築地誠子訳,「自分で食べる!」が食べる力を育てる 赤ちゃん主導の離乳(BLW)入門,株式会社原書房,2019. 

 

 

【子育て】食品によっても窒息のリスクは変わる!BLWにおいて気をつけたい食品とは?【BLWやってみた】

※はじめに

この記事はBLWを勧めたり、医学的なアドバイスをするためのものではありません。あくまで我が家が実際に取り入れてみた感想や、調べた文献について書いたものです。BLWを取り入れる際には十分な情報収集と準備を行った上でご自身の判断で行うようお願いいたします。

 

どうも、Fukuです!

 

前回の記事ではBLWにおける窒息のリスクについてAmy Brownの研究からご紹介しました。窒息は月齢とは有意な関係は見られないとのことでしたが、では与える食材によってリスクはどう変化するのか、今回は食材についてピックアップして書いていこうと思います。

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フリー素材ぱくたそ(www.pakutaso.com)

 

Baby-led Weaning(BLW)では、いわゆる従来の完了食の硬さ、「歯茎で噛める」程度で、バナナやアボカドが推奨されています

前回ご紹介したAmy Brownの論文(注1)の中では人参やりんごのスライスが最も窒息のリスクが高いことが明らかとなっていました。その他ではサツマイモやブラックベリー(赤ちゃんがブラックベリーとは、おしゃれですね!笑)といった皮のついた食べ物、パンなどのボソボソしやすいものが挙げられています。

 

ここで驚くべきなのが、窒息しやすい食べ物に「バナナ」と「アボカド」が含まれていたことです。あれ?!さっきバナナとアボカドは推奨されていたような…

バナナやアボカドは舌で潰せるので、BLW開始時の硬さとしては非常に適しているのですが、一方で滑りやすいため一口大にして与えると噛む前にそのまま丸呑みしてしまう可能性があるからなんですね。

 

論文の中ではこうした滑りやすい食材はいっそそのまま与える―つまりバナナであればカットするのではなく1本まるごと赤ちゃんに渡し、噛まなければ口腔内に入らないよう工夫することで窒息のリスクが防げるのだとか。

 

また、粘着性のある食べ物も窒息を引き起こす可能性があるとのことで、日本でいえばお粥やお米が該当するかと思います。もしもBLWで最初から軟飯や米飯として与えるとすれば注意が必要ですね。

 

つまりまとめると、

1)人参やりんごなどの硬いもの

2)バナナやアボカドといった滑りやすいもの

3)パンなどのボソボソしたもの

4)お粥や軟飯などの粘り気のあるもの

が窒息のリスクの高い食べ物ということがわかりました。

これらを踏まえて、ジローの初回の離乳食(補完食)として何をあげたらいいのかな…と悩んでいる間に、あっという間に生後6ヶ月を迎えました。

 

 

次回の記事ではジローのBLWをどう始めたかについて書いていこうと思います。

お読みいただきありがとうございました。次回もぜひみてくださいね!

 

 

参考文献

(注1)A Brown.No difference in self-reported frequency of choking between infants introduced to solid foods using a baby-led weaning or traditional spoon-feeding approach.Journal of Human Nutrition and Dietetics.2018 Aug;31(4):496-504

 

写真素材はフリー素材ぱくたそさんよりお借りしました!フリー写真素材ぱくたそ  

 

 

【子育て】生後6ヶ月で固形食は本当に窒息しないのか?海外の文献調べました【BLWやってみた】

 

※はじめに

この記事はBLWを勧めたり、医学的なアドバイスをするためのものではありません。あくまで我が家が実際に取り入れてみた感想や、調べた文献について書いたものです。BLWを取り入れる際には十分な情報収集と準備を行った上でご自身の判断で行うようお願いいたします。

 

どうも、Fukuです!

さて、前回の記事で、我が家の0歳児(あだ名ジロー)には最新離乳食(補完食)のBaby-led Weaningを取り入れることにした、というところまで書きました。

 

WHOの基準からも離乳食(補完食)は生後6ヶ月を過ぎてからにしようと決めていため、ジローが生後5ヶ月頃より海外の論文を検索したりと下準備を始めました。

インターネットで調べる限りは日本人で取り入れているご家庭はだいたい海外に在住している方が多く、やはり日本国内ではあまり浸透していない様子でした。

 

Baby-led Weaningに関して私が最も気になっていたのは「窒息」「誤嚥のリスクです。これはBLWのメソッドについて聞いた誰もが最初に考えることだと思います。生後6ヶ月の赤ちゃんにいきなり固形物…やはり何度考えても不安で、まずは窒息に関連した文献について調べてみることにしました。

 

色々と論文を眺めていたところ…

英国のAmy Brownの研究(注1)によると、固形物の導入年齢と窒息の頻度に有意な差は見られないということが報告されていました。

つまり、生後6ヶ月から固形物を始めようと、一般的に言われる生後9ヶ月頃から1歳前後の完了食期に固形物を摂取しようと、窒息の頻度は大して変わらないということなんですね。これには正直びっくりしました。

ジローはこの頃まだ下の歯2本しか生えていませんでしたし、到底咀嚼は難しく丸呑みする可能性が高いと思ったからです。

 

ですが、論文ではむしろ、従来より行っていた「ピューレを親がスプーンで与えるやり方」から開始した赤ちゃんが、刻みや一口大、フィンガーフード(手づかみ食べ)を食べたときに窒息の頻度が上がっていたと報告されていました。

確かに、初回からピューレを摂取している赤ちゃんにとっては固形物に暴露する機会がないので、口に入るものは「飲み込むもの」と認識しています。そのため赤ちゃんは物を口の中でどう処理してよいのかわからない…そしてこれまで同様に丸呑みしようとして窒息につながっている可能性がある、ということですね。なるほどこれは納得でした。

 

そうはいってもいきなり固形物を与えるわけですし、食材によってもリスクはかなり変わってきそうに思えます。

次回の記事では食材の違いにおける窒息のリスクについて調べたことを書いていきますね。

 

それでは今回はここまで。お読みいただきありがとうございます。

次回の記事もぜひみてくださいね!

 

参考文献

(注1)A Brown.No difference in self-reported frequency of choking between infants introduced to solid foods using a baby-led weaning or traditional spoon-feeding approach.Journal of Human Nutrition and Dietetics.2018 Aug;31(4):496-504

 

 

【子育て】最新離乳食(補完食)は固形から?!Baby-led Weaningという考え方【BLWやってみた】

 

どうも、Fukuです!

 

我が家には4歳の長男(タロー)と0歳次男の(ジロー)がいるのですが、このタローがまあ偏食!好き嫌いの帝王でして、赤ちゃんの頃からとにかく食に関しては苦労しました。

離乳食(補完食)に関しても、ピューレは順調にいったものの形態のステップアップに苦戦し、刻みになると食べなくなり、少し慣れたころに固形にするとまた食べなくなり…を繰り返し完了食に至るまではなかなか時間がかかりました。

 

そんなこともあってか、次男妊娠中に夫が授乳や離乳食(補完食)について調べてくれており、知り合いの小児科医から1冊の本を借りてきてくれました。

それが原書房さんから出版されている『「自分で食べる!」が食べる力を育てる 赤ちゃん手動の離乳(BLW)入門』という本。

 

「Fuku、最新の離乳食は固形から始めるらしいよ。」

「日本ではまだ主流ではないからBLWに関しては英語の論文ばかりで、日本訳されている本はこれしかないみたいだから、読んでみて」

 

なに?!固形から始める!?窒息しないのか?

 

と最初は耳を疑いましたが、夫も医療職で日頃から論文を読んだりと勉強していた為、試しに読んでみよう…と読み進めてみたところ、これが面白い!

 

特に興味深かったのは、BLWのメリットとして偏食が少ないと書かれていたこと。

できればジローには好き嫌いの少ない子になってもらいたい!との思いから、次男の離乳食(補完食)ではBLWを取り入れてみることにしました。

 

 次回の記事では…

BLWを始めたい!でも窒息が怖い…海外の文献ではどのような報告がされている?開始に向けて色々調べてみたことを書いていきますね。

 

 

 

【子育て】「離乳食」という考えはもう古い!「補完食」という考え方

 

どうも、Fukuです!

今回は子育て、特に離乳食をピックアップしていきます。

いきなりですが皆さん、「補完食」という言葉を聞いたことがありますか?

補完食とは、赤ちゃんが母乳だけでは不足した栄養素を補足して食べ物から栄養を摂っていくことを指しています。

「え?それって離乳食じゃなくて?」

 

「離乳食」…そのワード、世界ではもう古いんです!

 

WHO(世界保健機関)では2009年に乳幼児の栄養に関するガイドラインが出されていて、その中で補完食という言葉がすでに使われているんです。(10年以上も前ですよ…!!)

その中には

補完食は生後6ヶ月までは与えなくていいこと

母乳は2歳以降もあげてもよいこと

が書かれているんですね。

日本はまだ「卒乳」や「断乳」という言葉がよく聞かれているように、1歳に向けて母乳は「辞めていくもの」という考えが根強い印象を受けます。

※これに関してはまだ卒乳したくないお母さんも、日本では卒乳していることが条件という保育園も多く、仕方なく卒乳や断乳を迫られているという現状もあるかと思います。

中には

「4ヶ月を過ぎたなら果汁でも飲ませてみたら?」

「1歳過ぎてもまだ母乳を飲んでるの?」

なんて言われたことがあるお母さんもいるかもしれませんね。

 

ですがこうしたアドバイスは世界基準ではもう古いので気にしなくて大丈夫です!笑

 

日本では「離乳食」の名の通り、離乳食が開始されるとその分の母乳を減らしていくことが多いですね。ですが日本人が一般的に取り入れている10倍がゆやピューレにした野菜ではカロリーがほとんどなく、この段階で母乳を減らしてしまうと栄養不足に陥ってしまうんですね。

 

この時期は離乳食よりも母乳のほうがよほど栄養価が高いのです。

あくまで食事は母乳の補助、補完食として取り入れていくもの。離乳食(補完食)を開始しても授乳はしっかりと続けていくことが大切なんですね。